年金積立金とは
集めた保険料から年金を払った残りが年金積立金
年金制度は「現在働いている世代が払った年金保険料」を「年金受給者に年金として給付する」という仕組みで、自分で払った保険料が積み立てられているわけではありません。
なので、年金積立金は「自分が支払った年金保険料が積み立てられているもの」と誤解されていますが、これは間違いです。
正しくは、「現役世代から集めた保険料」から「払った年金」を引いた「残り」を積み立てているのが「年金積立金」なのです。
現在働いている世代の人達の保険料のみで年金を給付すると、将来世代の負担が大きくなってしまいます。
そこで、保険料のうち年金の支払い等に充てられなかったものを年金積立金として積み立てています。
GPIF 年金積立金管理運用独立行政法人
この「年金積立金」は将来の年金給付の原資として積み立てられているものなので、年金積立金が減ると、将来使えるお金が減ることになります。
逆に言うと、年金積立金の増減は、今の年金保険料や受給額には直接影響しないという事になります。
年金積立金を運用しているのが GPIF
年金積立金管理運用独立行政法人
GPIFは、Government Pension Investment Fundの略で、正式名称は年金積立金管理運用独立行政法人です。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、厚生労働大臣から年金積立金の管理と運用をまかされていて、運用収益を国庫の年金特別会計に納付することを目的としている法人です。
投資の考え方は?
GPIFは長期的な資金を運用する役割を担っています。
そのため、年金積立金の運用も長期的な観点を持って、必要なリターンを最低限のリスクで確保することを目指すこととしています。
また、投資は厚生労働大臣が示す目標にそって行われます。
GPIFができる前の運用はどうなってたの?
GPIFができる前に年金積立金の運用を行っていたのは、年金資金運用基金や年金福祉事業団という組織でした。
年金積立金は、住宅融資や施設建設などの公共事業投資へ使われていました。
年金の資金を使って行われたものとしては、全国に設置されたレジャー施設のグリーンピアが代表的なものですが、赤字運営が続いた結果、すべて売却されています。
年金積立金っていくらぐらいあるの
厚生労働省が発表している、2015年度末現在の積立金残高は、厚生年金が133兆9310億円、国民年金が8兆7768億円です。
なお、GPIFが発表した2015年の運用損は、厚生年金は5兆81億円、国民年金が3416億円です。