国民年金の未払いがあると児童手当がもらえないのですか?
児童手当を受給するには、自治体窓口への申請が必要です。
また、現在児童手当をもらっているなら、年に1回、毎年6月に児童手当の現況届を書いて提出する必要があります。
ところで、児童手当の申請書や現況届には、申請者が加入している年金を記入する必要があります。
もし、あなたに国民年金保険料の未払いがある場合、児童手当の現況届にはどのように記入すればいいのでしょうか。
児童手当の申請書を提出すると、「まずは未納になっている国民年金保険料を支払うように言われてしまうのではないか」「未納があるから児童手当を払えないといわれるのではないか」と気になりますよね。
だからといって、申請書や現況届を提出しないと、児童手当が支給されません。
いままでもらえていた児童手当が、この先もらえないなんてことになると大変ですよね。
もし、あなたに国民年金保険料の未払いがあった場合、児童手当を申請すると、どんな影響があるのでしょうか?
そもそも児童手当ってなに
児童手当は、家庭等における生活の安定と児童の健全育成を目的とした給付です。
児童手当は、子ども・子育て支援の適切な実施を図るため、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的としています。
児童手当とこども手当の違いは?
現在の児童手当は、こども手当に代わって、平成24年度に始まった制度で、現在はこども手当という制度はありません。
児童手当制度は、昭和47年に始まりました。
民主党政権時代の平成22年度から名称がこども手当に変更されましたが、平成24年度から児童手当に名前が戻されています。
児童手当は誰がもらえるの?
児童手当は、児童自身に対して支給されるわけではありません。
児童の保護者など、児童を養育する者に対して児童手当が支給されます。
具体的には、15歳の誕生日後の最初の3月31日までの児童を養育している方で、父母がともに児童を養育している場合は、原則、恒常的に所得の高い方が、手当の受給資格者になります。
児童手当はいくらもらえるの
2012年に制度化された現在の児童手当制度では、中学生(15歳になって最初の3月31日まで)以下を対象に、月15000円または月10000円が支給されます。
ざっくりいうと、子供二人までは、3歳未満は月額15,000円、3歳以降は月額10,000円 もらえるのが基本で、第3子以降は中学生未満は月額15,000円、中学生以降は月額10,000円です。
対象となる児童の年齢等 | 児童一人あたりの月額 |
3歳未満 (3歳の誕生日の属する月まで) | 15,000円 |
3歳~小学生 第1子,第2子 | 10,000円 |
3歳~小学生 第3子以降 | 15,000円 |
中学生 | 10,000円 |
なお、受給者の所得による資格制限があり、手当を受けようとする者の地方税法上の所得が一定額以上の場合は児童手当が支給されず、特例給付として月額5000円が支給されます。
児童手当の手続きは?
児童手当を受給するには、住民票のある自治体への申請が必要です。
申請方法は自治体によって異なりますが、申請書類が郵送されてきて、必要事項を記入して返送する自治体が多いようです。
いずれにしても、児童手当は自動的に支給されるわけではなく、申請しないと一切支給されません。
児童手当は申請が必要
申請が必要なのは、出生時だけではありません。
自治体を超えて引っ越しした場合も、転居先の区市町村へ申請が必要です。
また、現在受給中でも、毎年6月に児童手当の現況届を提出する必要があります。
役所から現況届が届きますので、すぐに記入して提出しましょう。
この児童手当の現況届を提出しないと、その年の児童手当が支払われなくなります。
児童手当の現況届って何?
児童手当の受給対象者は、年に1回「児童手当の現況届」を提出する必要があります。
現況届は、児童手当を支給されている人が「児童手当を引き続き受給する資格があるか」を確認するための書類です。
児童手当の受給者が、毎年6月1日の状況を、6月30日までに、児童手当を支給している市区町村に対して届け出るというものです。
市区町村は、現況届に記載された内容に基づき、受給者の受給資格や所得等について確認し、6月分以降(翌年5月分まで)の児童手当の支給の可否等を判断するというルールです。
年金を払ってないと児童手当が貰えないの?
児童手当の申請書には年金の記入欄が有ります
児童手当の申請書や、毎年提出する児童手当の現況届などには、申請者が加入している年金制度を記入する欄があります。
加入している年金制度によっては、証拠書類として、健康保険証のコピーや年金加入証明書を提出する必要があります。
では、もし国民年金に加入していなかったり、国民年金保険料に未払がある場合には、児童手当がもらえなかったり、減額されたりすることがあるのでしょうか?
年金未払があっても児童手当はもらえます
児童手当の受給資格は、対象となる児童がいるかどうかと、市町村税など地方税上の所得額をオーバーしていないかによって審査されます。
つまり、国民年金の免除や納付猶予を受けていたり、国民年金保険料の未払いや未加入の状態でも、児童手当の支給には影響はありません。
じゃあなぜ年金の証明書が必要なの?
児童手当は税金からまかなわれていて、年金は使われていません。
国と地方自治体、そして社会保険に加入している事業主が児童手当にかかる費用を負担していていて、申請者が、厚生年金などの加入者である被用者なのか、国民年金加入者なのかによって、国、地方、事業主の負担割合が決まるという制度になっています。
そのため、あなたがどの年金に加入しているのかの情報が必要になるのです。
つまり、年金の証明資料は、あなたに児童手当を払うために必要なわけではなく、児童手当の原資を負担する割合を決めるために必要な書類なのです。
国民年金加入者なら証明書類は提出不要
年金の証明書類が必要なのは、厚生年金の加入者のみです。
国民年金加入者または年金未加入者の場合は、年金加入証明書等の提出は必要ありません。
現況届の提出は毎年6月です。提出が遅れると支給も遅れる場合があるので、申請用紙が届いたらすぐに提出しましょうね。