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【FP監修】学生納付特例制度で払ってなかった国民年金って追納したほうがいいの?

目次

年金追納のお知らせが届いたら追納しなくちゃダメ?

猶予された国民年金保険料の追納は必須ではありません

学生納付特例制度は、社会人になってから払えるように、学生時代の保険料支払を猶予する仕組みです。

猶予ですから、学生納付特例制度が適用された期間の保険料は、10年以内に払うことが前提になっています。

学生納付特例の承認を受けた期間は、10年以内であれば保険料をさかのぼって納めることができ、追納といいます。

追納をすれば将来受け取る年金額を増額することができますが、追納は必須ではありません。

かならず追納しなくてはいけないというわけではないので、追納するかしないかは選ぶことができます。

追納しないと将来もらえる年金の額が減ります

大学在学中の年金保険料を払うように通知が来たときに、追納をしないでそのままにするとどうなるのでしょうか。

学生時代の保険料を追納しないと、将来もらえる老齢年金の額が、追納しなかった分だけ減額されます。

追納しないとどのぐらい年金が減るの?

国民年金の老齢基礎年金の支給額は、以下の式で計算されます。

老齢年金支給額の計算式

支給額 = 年金額 × 保険料を払った月数 / 480

満額の年金額から、未納や支払猶予、免除などで、保険料を払っていない期間の分、減額されていくというのが基本的な考え方です。

では、追納をしないとどのぐらい年金が減るのでしょうか。

全く未納や免除がない場合

わかりやすくするために、平成27年4月からの老齢年金額 年間 780,100円を当てはめて計算してみましょう。

780,100円 = 780,100円 × 480ヶ月 / 480ヶ月

40年間(480ヶ月間)国民年金に加入して、全く未納や免除がない場合、65歳からもらえる国民年金老齢年金の額は 年間 780,100円です。

追納しなかった場合

では、学生納付特例制度を使って、2年間(24ヶ月間)の間、国民年金保険料の納付猶予を受けた場合です。

24ヶ月間の追納をしなかった場合、保険料を払った期間から 24ヶ月間引かれて、456ヶ月として計算されます。

741,095円 = 780,100円 × 456ヶ月 / 480ヶ月

追納をしなかった場合には、年間39,005円年金が減る事になります。

結局追納するほうがトクなの?

単純計算すると9年以上年金がもらえるならトクだけど

2年分追納する場合には 約15000円×24ヶ月で約360,000円の保険料を支払うことになります。

年間約4万円の年金を増やすために、36万円の保険料を払うわけですから、単純計算すると9年以上年金をもらうなら得する計算になります。

しかし、これは今の基準での単純計算です。

実際には、国民年金保険料36万円を払うと、その分社会保険料控除で税金が安くなりますので、実際の負担は軽くなります。

また、将来もらえる年金額が増えるか減るかは、誰にもわかりません。

現在厚生年金に加入していると、もらえる年金額も変わってきます。

追納するのが、得か損かは、どちらか絶対はありません。

最終的には、あなたの今の経済状態と、将来に対する考え方次第ということになります。

白井琴
2級FP
この記事は2級ファイナンシャルプランナーの白井琴が監修しました。
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